いや~、暑い!
暑すぎるッッ!!
連日のように各地で猛暑が続いておりますね。
今年の異常な暑さの原因は、
太平洋高気圧とチベット高気圧、
二つの高気圧が日本付近を覆っているせいだとか。
太平洋高気圧がコタツの電熱器。それに覆いかぶさるチベット高気圧がコタツ布団。
某TV番組でウェザーキャスターが例えていました。
そりゃ暑いわけだ(汗)
こうなってくると、もう下界には居れません。
毎年8月下旬から9月上旬頃に実行していた、恒例の友人F氏との夏山トレック、
これを前倒しし、涼しい山に逃亡することに。
日程は、2018年7月20日から21日の2日間。
飛越新道より入山、北ノ俣岳、黒部五郎岳を経て、黒部川の源流部であり
北アルプス最奥地に位置する三俣小屋で一泊、その後、三俣蓮華岳、双六岳と縦走し
新穂高に下山するといった贅沢プランを打ち立てました♪
前日の19日、仕事を片付けたのち、富山の自宅を出発。
岐阜県は神岡市、有峰林道の東谷料金所付近にある飛越トンネルを目指します。
22:00 飛越トンネル到着。
トンネル横には車が30台程は停められそうな駐車スペースがあり、
今夜はここで車中泊し、翌早朝に備えます。
明日は長い行程が待っているので、今晩はあまり深酒をせず、
缶ビール一本だけで我慢し就寝、、、
う~ん、呑み足りない、、、がここは我慢、我慢(涙)
明日は三俣小屋で気兼ねなくたっぷり呑んでやるッ!!
ルート紹介
距離: 24.2 km
最小標高: 1460 m
最大標高: 2756 m
累積標高(登り): 2307 m
累積標高(下り): 1287 m
所要時間: 13 :20(休憩含む)
標準CT 12:20
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翌早朝、3時に起床。
身支度と軽い朝食を済ませたのち、いざ、行動開始!!
飛越新道登山口より北ノ俣岳
ヘッドランプを点灯し、登山、開始。
樹林帯をしばし進むと空も明るんできました。
飛越新道をひた進みます
広い尾根筋に出るとワタスゲやニッコウキスゲが咲き誇る湿地帯になっていました♪
長雨が続くと泥んこになりそうな登山道です。
目指す黒部五郎岳の姿を彼方に確認し、歩を進めると、、
まずは、寺地山(富山の百山)ピークに到着です!
ココまで来ると黒部五郎の右背後に抜戸岳と笠ヶ岳も見える。
そのさらに後ろには乗鞍?でしょうか。
寺地山ピークを後にし一旦鞍部まで下り、50mほど登り返したところで
草地が広がる大斜面にでました。
雪の影響でしょうか、まだ新しそうな道標が大きく傾いています。
「避難小屋すぐそこ」とありますので、行ってみましょう。
木道を1,2分ほど下ると、、、
北ノ俣岳避難小屋です。
三角屋根の高床式、なかなかシャレオツな佇まいですな~
現在は基礎部分の損傷が激しく、使用禁止となっていました。
やむをえず使用する場合は自己責任でとの事。
水はたっぷり出ています。ここで有り難く給水。
小屋内部。どうしようもなくなったらココに逃げ込もう(笑)
むろん自己責任で。
給水を終え、小屋を後にします。
その後は快適な木道歩きが続くかと思いきや、、、
結構傾斜がキツイし、大きく崩れたところも多々あり、歩きにくいこと、この上なし(汗)
気を紛らすため、写真を撮りながらゆっくりと進むことに。
池塘
遥か彼方に霊峰白山
白山ズーム
鍬崎山
普段、富山平野側から見てる尖った姿と違い、なだらかな山容です。
ようやく目指す北ノ俣岳ピークを捉えました。
主稜線に出るまで、もうちょっとです!
稜線にでると、まずは薬師岳の雄姿が目に飛び込んできました!!
う~ん、やっぱりデカイ山だ。
さすが、日本百名山の著者、深田久弥氏に
「百足の草鞋を履いても登りきれないほどの大きな山」と
言わしめたことだけありますな、、、
その薬師の背後には剣岳、そして奥大日、大日岳と続く。
南東に目をやれば、槍ヶ岳。
東に目をやれば、鷲羽、水晶、赤牛岳と続きます。
どこを向いても絶景ですね♪
黒部川源流の谷。その先の鞍部の奥に見えるのは大天井岳かな??
ここから先は折立から太郎平を経て槍ヶ岳まで伸びている、
通称「西銀座ダイヤモンドコース」を進みます。
ここまでの飛越新道と比べるとなんと歩き易いことでしょう、
まさに山道のハイウェイです。
ほどなくして、北ノ俣岳(富山の百山)、到着です!
※クリックで動画が再生されます
この先も快適な稜線歩きが待っているかと思うと
否応なしにテンションがあがります!
休憩もほどほどに、無駄に上がってしまっているこのハイテンションに
身を委ね、次の目的地の黒部五郎岳へと歩を進めることと致します。
北ノ俣岳から百名山、黒部五郎岳へ
ご覧ください、この天空を貫き彼方まで続くかのような縦走路。
もう完全にエレクチオン状態です。
名立たる名峰達に見守られながら、至福の稜線漫歩、スタート♪
薬師沢の左俣と赤木平。その右下には沢登りのポイントで有名な赤木沢。
その赤木沢を詰めるとたどり着く、源頭部である赤木岳。
眼下に広がる中俣乗越の草原地帯。
ここを一旦下り、目の前の小ピークを越えればいよいよ黒部五郎岳への最後の登りです。
小ピーク直下で雷鳥のつがいに出会いました。
そのうち一匹は我々のことを気にも留めず砂浴びに興じる。
その目的は羽根についた寄生虫を砂とともに払い落すためだとか、、、
ヤバい、ガスが黒部五郎岳を覆い隠し始めてしまった。
ピークでの眺望が懸念されます、、、
このパターンばっかり(涙)
赤牛方面はまだ大丈夫
山頂に向け、高度差約250mの急登を詰める。
高度を上げると、赤牛岳と谷を挟んだ左側に越中沢岳(?)の姿が
大小さまざまな大きさの岩がころがるゴーロ帯。
これが黒部ゴーロ岳→黒部五郎岳の語源となったとか、、
軽くバテ気味な相方F氏
山頂直下、黒部五郎岳の肩に到着。
完全に意気消沈し、下を向いて項垂れるF氏に
「どうしてエレクチオンしないのよーーッ!!!」と一喝。
肩で待っているから一人でピークを踏んでこいと言う氏を無理やり引きずり、
ガスガスで全く眺望が無いピークまで同行させました(笑)
百名山、黒部五郎岳、踏破!
眺望は皆無ですが、ここまで来れただけで感無量です!!
※クリックで動画が再生されます
黒部五郎岳ピークより黒部五郎小舎へ
名残は惜しいですが、いかんせん何の眺めもないので、
軽く一服後、早々に肩まで降りることにしました。
ピークから稜線伝いに降りるルートもありましたが、、、
我々は眼下に広がる広大なカールを進むことに。
カールに降り立った処から上部を見上げるF氏。
カール内の雪解け水を集めて流れる沢で給水。
かつてココに有った氷河が山肌を削り取った際の置き土産なのか、
巨石があちらこちらに鎮座している珍しい光景が広がっておりました。
まるで日本庭園のようなワビサビの世界。
そして黒五の肩より進む事、小一時間。
ようやく小屋が目の前に。
黒部五郎小舎に到着。
ここで持ち合わせの昼食をとり、ベンチで寝転ぶF氏。
私もココまで柿ピーやミックスナッツ、そして羊羹などの簡単な行動食しか
摂っていなかったので、燃料切れ寸前の状態です。
小屋のスタッフさんに尋ねると、まだ辛うじて食事が提供できる時間帯だとのお話。
「ぜひ、お願いします!!」と親子丼をオーダー。
この親子丼が私の命を繋いだといっても過言では無い。
黒部五郎小舎より三俣山荘
ここまで来てようやく今晩の宿泊地、三俣の文字が。
奥にはロケーション抜群な雰囲気のテント場も。
そのテント場を右手に見ながら、小屋のすぐ裏手の斜面に取り付く。
そこから先には200mほどの登り返しが待っています。
その為、ビールチャージもお預けです(涙)
先ほど小屋のスタッフさんに、この先の登山道の状況を伺ったところ、
三俣蓮華岳ピークを巻いて三俣小屋に向かう巻道に雪渓が残っており、
そこをトラバースするのが結構危険との事。
その地点で数日前に滑落事故も起きているという。
我々が利用しようと考えていたルートです。
スタッフさんは、雪道に自信がない人は、多少時間は掛かっても三俣蓮華岳ピークを経由して
三俣山荘に降りるのが確実だと仰っていましたが、
どの程度の雪渓なのか、実際確認した上でルートを考えることにしましょう。
しばらく斜面を登り尾根筋に上がったところで振り返る。
先ほど下ってきた黒部五郎岳のカールが見えます。
改めて眺めると本当に広大なカールです。
東側をみると、三俣蓮華岳のピークと、その先、双六岳への稜線が伸びております。
いよいよ鷲羽岳が眼前に迫ります。
道中にあった小ピークを越えると、噂の巻道との分岐点が見えてきました。
あれが小屋の方が仰っていた雪渓か、、、
確かにけっこう傾斜のありそうな斜面に残雪がありますが、
雪が付いているのはごくわずかな区間だ。
ここから眺める分には、あれくらいなら慎重に歩けば問題なさそうに感じます。
さあ、どうする??
散々迷ったあげく、
三俣蓮華岳のピークは否応なしに明日必ず通るからと、巻道に進路をとる事に。
雪渓の横断は全く問題なし。むしろ其処まで降りるザレ場の方が気を張りました。
雪渓を越え、しばし進んだ処に流れていた沢。
谷を挟んだ対岸に雲ノ平、祖父岳、その背後に水晶岳を望む。
三俣蓮華岳北側に伸びる尾根の反対側に回り込むと、
今晩の宿泊地、三俣山荘がもう目と鼻の先に。
最後の力を振り絞り、歩みを続ける。
そして、ついに、、、
飛越新道登山口より歩く事、約13時間。
鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部に建つ三俣山荘に到着です!!
これでやっと心おきなく祝杯を挙げられます。
もう手が震えだす寸前でした(笑)
山荘の目の前には槍ヶ岳がドーンッ!!
槍の穂先と北鎌尾根が大迫力です!!
宿にチェックイン後、この眺めを楽しみながら、まずは缶ビールを喉に流し込みました。
そして夕食。
メインディッシュは、なんとニホンジカのジビエシチュー!
聞けばこの辺りの里ではニホンジカの急増により、
農業被害、林業被害が深刻で、対策として駆除がなされているそう。
その殺めた命を極力無駄にする事のないよう、食用として提供しているとの事。
そういえば、この三俣山荘も歴史を遡れば、狩猟などを生業にしていた
黒部の山賊と呼ばれた人々が拠点としていた所。
彼らもニホンジカを狩って食していたのだろうか。
時代を越え、食を通しその当時に思いを馳せるのもまた一興、、、
と、柄にもなく高尚なことを考えていると、長旅の疲れもでたのか
睡魔に襲われ、18:30、部屋で横になる。
ほんのちょっと仮眠程度と考えていたのに、
ハッと気づくと時刻は既に消灯間際の20:30。
窓から外をのぞけば、小屋の明かりが辺りをわずかに灯すだけ。
今回の山旅では、私自身初の試みとして星空撮影を考えていた為、
慌てて小屋の外に飛び出し、カメラをセット。
事前の予習通りに、カメラは三脚に固定し、Mモードにする。
絞りは開放、シャッタースピードは30秒、ISO感度は800。
そしてオートフォーカスではピントが合わないので、MFで焦点距離は∞に。
手ぶれ防止のためセルフタイマーにし、シャッターを切る、、、
さー、これでどうだ!?
鷲羽岳と夜空
槍方面
う~ん、、なんか微妙、、、
星空は有る程度綺麗に撮れたが、奈何せん明るすぎる地面が非常に邪魔だ。
今思えば、明るい内に撮影ポイントを決め、構図も予め考えておく必要がありました。
そして、小屋が完全に消灯して辺りが真っ暗になってから撮れば良かった(汗)、、と
反省しつつ、明日の道中の事を考え、再び眠りにつくことと致しました。
※クリックで動画が再生されます
※記事の情報は当時のものです。
また、素人投稿の為、内容の正確性は保証出来ません。
登山の際は、最新の確かな情報をご参照下さい。