唐突ですが、最近インターネットで地元富山の山々を調べていて、
気になっていたキーワードがあります。
それは、、、
『越中の百山』
えっちゅうのひゃくざん
富山県山岳連盟が2013年に選定した、
『富山の百山』というのはよく耳にしますが、
越中の~というのは私はあまり馴染みがありません。
なんだ、これは、、、、
もう少し調べを進めると、とあるサイトで、
越中の百山は昭和48年に富山県教育山岳研究会が編集し北日本新聞社から発行した本で選定された百選です。
と、ありました。
富山の百山よりも、ずっと以前、
私がこの世に生を受ける前に選定された山々のようです。
毛勝山、鍬崎山、金剛堂山や白木峰など、日本二百名山、三百名山に
選定されている山々もありますが、
立山や剣岳などのビッグネームは何故かありません。
その代わりに聞き覚えのない山たちが名を連ねておりました。
赤摩木古山、割谷ノ頭、突坂山、西鐘釣山、etc.
私に学が無いだけかもしれませんが、もはや読み方すら分かりません(笑)
これは、もっと掘り下げなくては、、
と、未知への探求心が芽生えました。
既に登ったことのある山も15座ほどありましたが、
まずは聞いたことのない山を登ってみることに。
初回に選んだ山は旧大山町、
熊野川の支流『黒川』の奥にそびえる、
『大双嶺山』
おおぞれやまと読むようです。
越中の百山の中では、標高が一番低く、706mとのことです。
登山道がなく、積雪期にしか登れない様子。
今期は雪も多く、低山といえども油断は禁物。
心して掛からねば、、、
そして、決行の日、2月21日。
午前8:30、富山市内の自宅を出発。
県道187号線『荒屋敷月岡町線』をひた南下します。
車で走ること、約30分。
県道沿いに点在する集落の一つ、『石渕』に到着。
もはや、同じ富山市とは思えない風景です。
集落の入り口と思われるところにはバス停がありました。
ここでバスを待っていれば、間違いなくトトロに出会えそうですが、
本日は猫の化け物ではなく、大双嶺山が目的なので先を急ぎます。
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道はどんどん険しさを増してきます。
頭上には大きくオーバーハングした崖がせまっており、
路上には上から落下してきたであろう石が散らばっております。
酷道険道好きにはたまらない道、県道187号線。
沿線で最後の集落『小坂』を通過し、、、
スタート地点である神明社付近に到着です。
除雪車の雪捨て場があり、そこに極力邪魔にならないように駐車。
かんじきを装着し、登山開始です。
画像矢印のように県道から二股に分かれているところで左へ進みます。
ルート紹介
それでは、今回のルートをご紹介します。
距離: 6.7 km
最小標高: 318m
最大標高: 706m
累積標高(登り): 455 m
累積標高(下り): 451 m
神明社から取り付き地点
神明社を過ぎ、黒川の支流に沿って歩を進めます。
スノーシューのトレースがありました。
こんな景色の中、約1kmほど進み、、、
川幅が狭くなっており、かつ沢に降りやすいポイントで渡渉し、
植林された杉林の斜面を黙々と登ります。
取り付き地点から主尾根鞍部
直登能力の高いかんじきでもちょいとキツイところは、細かいジグを切って、
じわじわと高度を上げます。
いつのころからかスノーシューのトレースは無くなり、ここからは自分のみか、、
と考えていると、
獣のトレースを発見し、貸切ではないことを知る、、、
少し傾斜が緩むところもありましたが、
基本的には急登(汗)
スタートから、約1時間半。
通過点と考えていた主尾根上の鞍部に到着。
西側の視界が開けました。
なんの目印も無い中、
地形図、コンパス、高度計そしてスマホGPSを駆使し
目指していたポイントに到着でき、まずは安堵♪
ここで小休止し、先へ進みます。
鞍部からピークへ
尾根上の細かいアップダウンを避けるため斜面を巻こうと考えていると、
自分が思っていたラインに獣のトレースが。
先ほど見つけたトレースといい、これといい、ホントに絶妙なライン取りをしてます。
獣たちの山を知り尽くしている感、ハンパないっす。
ひょっとすると、コイツらかも知れません。
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スキーで滑ると気持ち良さそうな斜面を横切り、、、
広尾根にでました。
雑木林が広がっております。
小佐波御前山
東面を眺めるのは新鮮です。
ホント、いい雰囲気です。
しばらく進み、大双嶺山手前のピークへ。
富山平野が見え始めました。
このピークには見事な赤松が凛と立ってました。
どうですか?この官能的なボディ。
ここまできて、ようやく大双嶺山ピークを捉えました。
ここから鞍部まで少し下り、30mほど登り返すと、、、、
12:05、神明社を出発し、約2時間半。
大双嶺山ピーク、到着です!
が、
木々に遮られ展望は芳しくないうえに、
空も曇りがちで、見ごたえのあるものは、、、
残念ながら、特に無し。
ですが、ここまで来ておいて全く何もしないのは釈然としないので、、、
まずは、記念撮影。
そして、
最近手に入れた、『ゾンデ棒』を
雪面にブッ刺す。
積雪は、約160cmと確認したところで下山する事と致します。
ピークからの復路
12:45、下山開始。
来たルートをピストンします。
先ほどからチラついていた雪がとうとう本降りになってきました。
自分のトレースを見失わないように、慎重に下ります。
画像の中央やや右に、同じく越中の百山『二子山』
名の如く、双耳峰です。
13:18、往路で小休止した、鞍部を通過し、、、
杉の植林地まで戻って参りました。
ここまで来れば、ゴールは目前。
13:50 渡渉点
かんじきを外すのも億劫なので、そのまま突破(笑)
沢の流れとともにゴールを目指し、、、
14:10
駐車ポイントに戻ってきました。
大粒の雪が舞い降りてきております。
明日からまた除雪に追われると思うと気が重くなりますね。
感想
登山道がなく積雪がある時でなければ、
よっぽどの藪こぎマニアでない限り、近づこうとは思わない山でしょう。
道標やリボンなどの目印も一切なし。
道が綺麗に整備され、多くの人が往来するメジャーな山とは全く別物でした。
ルートファインディングしながら、どのルート取りが適切なのか
考えながら進むのが多少面倒ですが、それが逆に楽しい。
そして、あまり目にする事のない
小佐波御前山の東面を眺めることが出来たり、立派な赤松に出会えたりと、
派手さは有りませんが、いぶし銀の魅力を感じる山でした。
また、麓にはかつて大双嶺村という集落もあったようで、恐らくは里山であったと思われます。
山からの様々な恵みを享受しながら、山と共にこの地で生きてきた人々に思いを馳せる。
こんな楽しみ方も山登りにはあるのだという事に気付きました。
越中の百山に選定されている山々には、同様な郷愁を誘う里山が他にもたくさんあることでしょうし、なんといっても、まだ踏んだことのない頂きがこの狭い富山県内に100以上もあるのです。(百山と言っときながら何故か123座ある)
そう思うと、当たり障りのない消化試合のような日々を送り、軽い閉塞感を感じていた私の心の中に新しい風が吹きました。
その風の名は、
「越中の百山」
私は贈り物の蓋を開ける時のようにワクワクしているわ
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※記事の情報は当時のものです。
また、素人投稿の為、内容の正確性は保証出来ません。
登山の際は、最新の確かな情報をご参照下さい。